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(す……好きなのか……な?)
と思っていた傍ら、駐在所の前をたまたま通った小学生が
「犬ー!」
とマコトさんを撫でているのが、駐在所のサッシ越しに目に入った。
(いやいや、6つも年下に……しかもなんかヤらかしているかもしれないケンに……)
色々理由を付けてみるが、好きじゃない理由ばかりをこじつけるような自分に気付く。
まるで好きになってはいけないと自分に言い聞かせているような。
(きっと僕は……。ケンがいなくなるのが嫌なんだ……な)
息苦しくて、胸を押さえる。
奥の方が締め付けられるように痛む。
「すみません。お昼ご飯、美味しかったです……」
ケンに悟られないよう石原は制帽を被ると、そそくさと生活スペースから逃げだし駐在所の方に行った。
「あ。お巡りさん!」
表に居る小学生に声をかける。
「こんにちは」
「こんにちはー」
「暑いから、熱中症に気を付けて遊んでね」
「はーい」
軽く話をすると、石原は仕事机についた。
その後は、雑念を振り払うかのように勤務日誌にやたらと詳細に書き込むのであった。
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