04-3.後

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(いやいや、何、動揺しまくってんの、俺)  改めてケンは、石原のシャツをまくり、胸を晒した。  現れた突起を口に含む。 「ふ……」  わずかに吐息を漏らし、恥ずかしそうに身を捩るが嫌がっていないことを確認すると、つと舌を絡めた。 「ん……っ」  石原の頬に赤みがさす。 「よく分かんないけど、男の人もここって感じるもんなの?」  素朴に思ったのだろう。  一度、口を離してケンが尋ねてきた。 「それ、……今、僕に聞きます?」 「俺、男の人としたことないもん」  指で摘まめば 「んっ……!」  石原は息を詰めて、ピクリと反応した。 「分かった。感じるんだね」 「んっ……、ん、んっ……!」  指の腹で転がすと、石原が手の甲で口元を抑え、声を押し殺そうとする。 「声、出さないの?」 「……そんなの、は、恥ずかしいじゃないですか」 「そんなもん?」 「そんなもんです……って、ぁ……!」  石原が声を出すよう、ケンはわざと強く吸い付いた。 「ん、んんっ……!」  その刺激に耐えるように身を震わす石原に 「そういうのは女と違うんだね。(おねえちゃん達は、あからさまに声出してたもんなぁ)」  と言うと 「僕は、女性を知りませんから……」  石原が、与えられる刺激に切なそうにしながら答えた。 「え?」  ケンの動きが固まる。 「石原さん。もしかして……どうて」  言いかけたケンの頬を、石原の右手が掠めた。 「次、そんなこと言うと叩きますからね」 (これって、禁句だったのか)  殺気立っている石原を宥める様に、改めて突起を口に含む。 「……っ!」  ケンの目論見通り、あっさりと怒りを快楽に押し流されてしまった石原は、ケンの舌先に合わせて体を震わせた。
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