04-3.後

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「え? もしかして……。いったん仕切り直し?」 「うーん……。そうですねぇ……」 「こんな所でやめられたら、俺……」 「なんだかよく分からないけど、変な言い回しは止めなさい」 「俺、絶対に嫌だよ。ぶっちゃけ、もうガマンできないよ」 「それは僕だって」 「え?」 (今、また、さらりとスゴいこと言ったよ、石原さん!)  とケンは思ったが、下手なこと言ってこの嫌な流れに拍車をかけるのは避け、ケンはぐっと言葉を飲み込んだ。  そして、最上級の褒め言葉と思えたことを伝えた。 「大丈夫。石原さんの匂いはミントの香りだから」 「なな、なんですと!」  今度こそ石原のビンタが炸裂した。 「痛……。なんで?」  石原の強烈な右を食らって、ケンは涙目になるが 「ミミミミミミミントはダメです。なんて、いかがわしい!」  石原の方も悲痛な叫びを口にした。 「いかがわ……? なんで? ミントって爽やかな香りの代名詞じゃん」 「違います。ミミミミミミミントは……、ぇ、えっちなんです……」 「意味が分からんのです……」  心底思ったことをケンは呟くのだった。 「安心してよ。石原さん、朝のゴミ拾いの後シャワー浴びてたじゃん。立ち番くらいでそんなに汗かいてないって」 「うぅぅ……」  納得しかねている石原に 「はい、もう四の五の言わないー!」  問答無用で、ケンは石原のスラックスと下着を一緒に下ろすのだった。 「ほら、ね、言った通り。ボディソープの匂いしかしないよ」 「そんな所、匂うのは止しなさい……」  もうどうしていいのか分からずに困り果てているようだが、石原は嫌がってなどいない。  ケンは、それに安心した。
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