04-3.後

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 勢いで「教える」などと言った手前、やむなくしているとは分かっている。  だけど、言葉にするのは恥ずかしい。  後は見せる行為でしか教えることはできない石原に (やっべ、エロいな。石原さん)  腰を上げてねだるような石原に、ケンは10倍を訂正し100倍淫らだと勝手に解釈を変えた。  自然、握る右手に力が籠ってしまう。 「……ぁっ……!」  敏感な部分を握り込まれて、石原がひくりと身体を震わせた。  ケンが握り込んだので、石原は勘違いしたのだろう。 「あ、あの、それ……今じゃなく、夜……時間ある時にでも……してください」 (してくださいーーー!?)  石原の「してください」に、これほど破壊力があるとはケンも想像しえなかった。  ましてや「夜」「時間ある時」のオプション付きである。 (つまり……、「今夜」またシてもいいんだな? 「時間ある時」なら、シていいんだな!?) 「してください」の都合よく切り取られた言葉だけが、ケンの頭の中でリフレインする。 「ちょ……、ぁ、こら! あっ、あぁーっ……!」  無意識に擦る手が速まれば、石原が焦りの声を上げた。 「だ、だめだって……! んんーっ!」  急速に高められて、石原の腰に力が入り、より高く浮いた。
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