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―――あれから二週間。
(期待してなかった訳じゃないんですが……)
電話を切ってから、石原は理解不能な戸惑いを覚えた。
医者から
「もう消毒もいらないから、来なくていいよ」
と言われ、真は一番に石原にそれを伝えた。
「仕事帰りに、うちに寄ってくれ」
と。
「手はくっついたんですか?」と聞かれ
「くっついたけど、まだ中指が痺れる時があるんだよな」
悲壮感漂わせて言っても、相変わらず石原は
「はいはい」
としか言ってくれない。
真の同情引いて甘える作戦がうまく行った試しなどないのに、毎度毎度この男は性懲りもなく挑戦し続けていた。
そんなことをやっていれば、石原が相手にしなくなるのも当然だ。
(塩対応に磨きがかかっちまった)
塩を通り越して塩の結晶化対応の石原だったが、その日、ちゃんと石原は真の部屋に来てくれた。
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