02-3.後

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「あ……」   シャツを握りしめ、行為の恥ずかしさに耐えているが 「ん……、く……、ぅ……」  真が啄むように数度口付けると、石原がたまらずにその度に切なげな声を漏らす。 「は、……っ、ぁ、っ……」  真は、まるで形を整えるように様々な方向から何度も口付けては、丁寧に吸い上げる。  真に少し余裕が出て、もう片方の突起が目の端に入る。  ほんのりと汗ばんだ肌に手を滑らせ、もう片方の突起に忍ばせた。  そっと摘むと 「あ! ん、んっ……!」  電流に打たれたかのように石原がぴくんと跳ね、声が少し高くなった。 (男がここで感じるとは考えにくいが、元々感度が良いのか、前の男にそこまで開発されたか……だよな)  いいようのしれない気持ちが、真に湧き起こる。  何かに取り憑かれたように、摘んだ指の腹と舌で夢中で捏ねると 「ん、く、ぅ……っ!」  石原は、より切なそうな声を上げた。 「も、や……。それっ……。声、……出る、からっ……」  石原が過ぎる快楽に目に涙を浮かべて、短めの言葉にならない言葉で真に懇願した。 「少しくらいなら聞こえないよ」  真が腹の中に重くのしかかる感情のままにやや乱暴に言うが、石原は我慢できずに声が出てしまうのが嫌で、首を横に振る。  仕方なく真は、石原のまくり上げているシャツを石原の口元に寄せ 「シャツでも、咥えてなよ」  と促した。  石原はちょっと戸惑ったが、どうしても声が出てしまうことを自覚しているので、仕方なしに、シャツをそっと咥え、声を抑えることにした。
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