02-3.後

18/21
前へ
/133ページ
次へ
「ん、ぁ……」  噛み込んだシャツを口から離し、石原が 「あ、待って……! ちょ……、待って、くだ……さい!」  このままでは、あえなく絶頂を迎えてしまうと焦った石原が、かろうじて真を止めた。  真が言われた通りにやめると、先端にじんわりと余韻と何とも言えないもどかしさが宿る。  少し呼吸を整え 「……僕のバッグにゴムが入ってます。付けさせて」  なんとか真に伝えた。  布団が汚れるのを気にしているようだ。 「だったら俺も用意しているから、俺のを使おう」  真がサイドボードから取り出す。 「前回もこれを使ったんだけど……、覚えてないんだっけ?」  取り出しながら真が言う。 「う……。すみません、お、覚えていません……」  石原が受け取ろうとしたが、真に制された。 「付けてやるから、じっとしてろ」  真が、石原の猛ったものに被せる。  真の用意していたものは、ゼリー付きのものだった。  左手で意外にも手際よく石原に付けた後、自分にも付ける。 「このゼリーのおかげで前回うまく言ったんだけど」 「……覚えていませんってば」  真の手は、先ほど滔々と溢れさせた石原の先走りの液と二枚分のゼリーで、すっかりドロドロだった。 「ちょうどいいな。陸裕、脱いで」 「え?」 「ズボンとパンツ、自分で脱いで。俺、右手使えないから、さ」 「……」  石原が少し戸惑ったようだったが、「協力する」という約束だ。  すごすごと無言で下着とチノパンを脱ぎ去った。 「これでいいですか?」
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

127人が本棚に入れています
本棚に追加