02-3.後

19/21
前へ
/133ページ
次へ
「んー……。もうちょっと足、開いて。俺、入れない」 「……」  渋々足を開くと、その間に嬉しそうに真が陣取った。 「ちょ……っと」  文句言い出しそうな石原に 「言っておくが、ここ、この間もしっかり見たからな。今更恥ずかしがっても、仕方ねえんだぞ」 「う……」  石原が諦めた様子で黙った所で、足を大きく掲げさせ、そこを確認する。  不安定な姿勢を保持するためシーツを握ってバランスを取っている。  恥ずかしそうにしているが、石原は抵抗する気はなさそうだ。  真は 「力、抜いてろ」  と言うと、双丘の狭間にゼリーと液まみれの指をあてがった。 「あ……」  石原が緊張したのが分かる。  ゆっくりと石原を傷つけないように、真は弾力ある窄まりに指を沈めた。 「う……あっ……!」  慌てた石原が、口元を両手で覆う。  「あ……、あぁ……、んっ……!」  それでもどうしても、声は漏れてしまっていた。  後ろからの圧迫感の後、差し込まれた異物感。 「や、真……さんっ……」  真の指はまだ、ほんの第一関節を過ぎた所までしか入っていない。 「前回は酔っていたんで、いい感じに力が抜けてたんだな。今日はきっつい……」  ぼそぼそと真が呟くのが聞こえる。  だが、やめる気配はない。 「ちゃんと慣らしておこう。陸裕、深呼吸して」 「う……、ぁ、ふ……ぅ」  たどたどしく言われるままに深呼吸をすると、さらにぬくくっと呼吸に合わせて真が奥に指を進めた。 「あ……! ぅ、ぅ……ん……!」 「大丈夫か?」 「……ぅ……」  痛くはなかったが、他人の指がそこに存在する違和感が石原を混乱させた。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

127人が本棚に入れています
本棚に追加