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「と、言うことで僕は帰ります」
玄関に立つ石原を真が追いかけてきた。
「……陸裕さ、そういうカマかけみたいなのやめろって言ったよな。される側は不愉快だっつーの!」
「逆ギレですね」
「冷静に対応すんな! おまえの気持ちは、どこにあんだよ!?」
(どこ!? そんなの分かっているくせに……!)
どす黒い感情に支配され、感情のままに話すのは得意ではない。
心の中で、ゆっくりと数字を数えてみた。
1から順に数え6か7ほどで頭は澄み、石原は深呼吸を一回することができた。
「今のあなたにそれを聞く権利なんて、ないですよ」
正面を見据えて、石原は言い放った。
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