04-2.中

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 髪の根本はわずかに黒くなってきている。  ここに来て、1週間。  最初見せてたケンの態度が和らいだ気がした。 「石原さん……。あんた、いっつも朝からどこ行ってんだ?」  早朝5時、石原が制服に着替え、出かける支度をしていた。 「あ、起こしちゃいました? すみません」  その日はケンも起きだして、二階から降りてきた。  ここに来てからというもの、ケンが6時に起きて朝ごはんを作るようになった。  だが、当の石原は不在。  待っていると、石原が7時ごろ帰ってきてケンが作ってくれた朝食を食べる。  そして通常勤務をするというのが、日課になっていた。  それでケンは、毎朝、石原がどこに行っているのか不思議だったのだ。 「海です」 「何しに?」 「ゴミ拾いです」  確かに片手にゴミ袋、腰のベルトに軍手を挟んでいる。 「それも仕事?」 「いえ。でも、ここ平和でしょ」 「確かに、いい意味でも悪い意味でも何にもないな」 「だから駐在所があっても、仕事は警邏と立番しかなくって。何かしたいなと思い、地元の人がやっているので一緒にし始めたんです」 「ふーん」  というケンの顔からは、全く興味がなさそうでもない。
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