04-2.中

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「あいつが好きなら、ちゃんと俺に言ってくれ」  突然の申し出に、石原は戸惑った。 「どうしてです?」  無茶苦茶もいい所だ。  年が近いので、よく話す関係だが、恋愛関係とはほど遠い。  藤本に腰を見られていたからといって、どうしてこうなるのか。  戸惑いを通り越して、怒りさえ覚える。 「あ、いや、別に言わなくてもいいけど……。ただ、あんたの邪魔にはなりたくない」  ぼそぼそと言うケンに 「何を言っているんだか」  呆れ気味に石原が言う。 「そもそも僕がケンを誘ったのに、邪魔者扱いなんかする訳ないでしょ」 「そうか。そうだったな」 「何を勘違いしているのやら」 「勘違い……、だよな?」  何度も確認するように聞くケンに 「そうですよー」  面倒がらずに石原は先ほどの怒りを忘れ、笑顔で答えた。  するとやっと納得したのか、ケンも少しだけ笑った。
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