04-2.中

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 ある夜、石原が 「ケン、お願いがあるのです」  真剣な顔をして頼んできた。 「今日から、僕と一緒に寝てもらえませんか?」 「え、ええ?!」  動揺隠せない大男が、マジか?と反射的に背を屈め、石原の目線に合わせて顔を見つめた。 「あ! いや、そういう意味ではなく……!」  ケンの慌てぶりに、意味深にとられたことに気付いて石原は否定した。 「変な言い方してすみません。一緒の布団でという意味ではなく、一緒に1階で寝てほしいという意味なんです」 「あ、そ……そう」  何故かケンの目が泳いでいた。 「あのですね、その……誰にも言わないでほしいんですが」 「うん?」 「最近、駐在所の家鳴りが酷くて……そ、その……怖い……んです」 「は? 怖い? 何が?」  ケンは駐在所を見渡す。 「家鳴りって普通じゃないの? この駐在所も割と古い建物だし、家鳴りだってするだろ」 「それが……ですね。その家鳴りっていうのが、なんというか……霊的で」 「はあ、れい……てき?」  ケンの怪訝そうな顔に 「だって、仕方ないでしょ? お化けとか霊とかは投げることできないんですから! 僕、苦手なんですよ!」  ややキレ気味に石原は叫んだ。
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