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「伝えたい気持ちなら口にしなきゃ伝わらない事もあるし、伝えないで自分の中で大切にしておきたい気持ちだってあるでしょ?」
自分の中で大切に。
そんな風に考えたことは無かった。
やがて薄れていく筈の恋心が朽ち果てるまでただ隠さねばならないものだと思っていた。
もう少ししたら幼馴染にはきっと恋人ができる。
それを笑って祝福して、そして自分の気持ちは無かったことにすべきなのだろうと思っていた。
「要は自分でちゃーんと決めるってことよ。」
先輩は笑顔を浮かべる。
女性的っていうのと少し違うのだろうか。俺は女の人を好きになったことが無いので魅力についてはよく分からないのだけど、先輩はとても綺麗な笑みを浮かべた。
こんな綺麗な笑みを浮かべられたら、俺は自分の幼馴染に対する気持ちを肯定できるようになるのだろうか。
自分でもよく分からない。
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