一生に一度の

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金曜日顔を出してみた料理部は先輩以外に三人程の部員がいた。 女の先輩が二人と男の先輩が一人、歓迎してくれた。 今日はカップケーキを作るらしい。 「他には納豆を作ったりもするわよ。」 先輩はとても楽しそうだ。 教わった通り、材料を混ぜて型に流し込む。 それから、オーブンに入れる。 焼きあがるまでの時間におしゃべりをしながらバタークリームを作った。 話の内容はどれも他愛のない事だけれど、男子だけのの時とは少し内容が違う。 それこそ幼馴染と二人で話すときの内容とはまるで違う。 それが逆に楽で、思わず笑顔を浮かべる。 焼きあがったケーキを三十分程冷ましてバタークリームを絞る。 バタークリーム用の口金部費で買っちゃった。と喜んでいる先輩を眺めながらも自分でもやってみる。 不格好なカップケーキがいくつかできただけなのに、先輩たちは上手上手と言ってくれる。 持ち帰る用とここで食べる用と分けて、持ち帰る分を包む。 そういえば貰ったクッキーもこういうぱりぱりとした透明な袋に入っていた気がする。
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