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まだ保育園の年少くらいの頃、仲の良かった男の子がいた。
確か、2歳ほど上の子だった気がする。
よく公園で遊んでいて、シロツメクサでそれぞれが冠を作っていた。
「おっきくなったら結婚しようね」
男の子は作った冠を私の頭に乗せて、まっすぐにそう言った。
その子と一緒に遊ぶのが好きだった私は、「うん!」と迷いもなく答えた。
そして、自分が作ったシロツメクサの冠を男の子の頭の上に乗せた。
「やくそく、だからね?」
――この時の何気ない約束が、まさか自分を恐怖に陥れることになるなんて思わなかったんだ。
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