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翌日、私は『Cafe Path』で、颯手さんに、昨日の藤森神社での写真を見せていた。先程まで、2組の客がいたが、食事を終えて出て行ったので、今は誰もいない。
「紫陽花が満開だったんですよ」
スマホで撮った写真を一枚一枚颯手さんに見せると、颯手さんは、
「ほんまや。綺麗やね」
と目を細めた。
「前に行った時は、あんまり咲いてなくて、ほとんど緑って感じやったからなぁ」
「来年は一緒に行きましょう」
「お誘い、嬉しいわ。でもデートの邪魔はしいひんよ。この写真、誉が撮ったん?愛莉さん、きょとんとした顔してて、可愛らしいね」
スッスッと画面をスライドしている間に、いつの間にか、颯手さんに、誉さんに不意打ちで撮られた写真を見せていた。
「あっ、これはですね、誉さんが不意打ちで撮ったんです。変な顔をしているので、見ないでください!」
慌ててスライドさせて、違う写真へ変える。
「仲が良くて、ええね」
颯手さんにからかうような視線を向けられ、照れ臭くなった。
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