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「本当に私のことが好きなのかな」と考えて、ハッとした。
(私、誉さんに『好き』って言って貰ったことない……!えっ、ちょっと待って、『隣にいろ』って言われたことはあるけど、それって『好き』ってことだよね?合ってるよね?)
内心で狼狽していると、
「愛莉?変な顔して、どうした?写真のこと、まだ怒ってるのか?」
誉さんに申し訳なさそうな視線を向けられた。
「ち、違います」
ふるふると首を振った後、
「……誉さん」
私は彼の袖を指でつまんだ。
「……私のこと、好き、ですか…………?」
勇気を出して問いかけると、誉さんは目を丸くした。
「急になんだ?」
「いや、だって……はっきり言われたことないな、って思って……」
唐突な問いかけだったと、恥ずかしさのあまり、頬が火照った。
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