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「そこ!ちゃんとやりなさい」
雰囲気を掴めない彼らであったがだんだんエキサイトしてきた。
「あ、ひっぱらないで」
「ハハハハ……あ。痛」
「アハハ。転んでるし」
「そこ!人を傷つけてはいけません!」
中でもLiko7とyu8の二人はウサギ人形を奪い合っていた。
「あ、あれなんだ?」
「へ?……あ」
「キャハハ」
奪い取ったyu8は走って逃げた。これをLiko7は追った。
「……くそ!待てー」
「はあ、はあ、はあ」
そして教師が終了の合図を出したのに二人はまだ取り合っていた。
「離せよ」
「俺のだよ!」
「く……あ!」
強く引いた二人はウサギ人形を引き裂いてしまった。ここにやってきた教師は無惨な人形を見つめていた。
「……みんなも来て下さい。これ、どう思うかな」
「可哀想」
「そう?また作ればいいじゃん」
「それはそうだけど……なんか……」
芝生の上の壊れた人形を生徒達は黙って見ていた。
「じゃ、どうすれば良かったかわかるかな」
教師の声に生徒は思わず声を上げた。
「……分ける!」
「無理だよ?これはシェアするんでしょう?先生」
「それも良いね?他には無いかな」
これを壊したLiko7とyu8はぽつと言い出した。
「俺が譲れば良かったのかな」
「俺もそう思います」
「そうか……答えはね。こうするのさ」
教師は壊れた人形を足で踏みつけた。生徒の中ではキャと悲鳴を上げるものがいた。
「……最初から無ければ取り合いにならなかったよね。だから今の世の中は、すべて手に入るものしか無いのです」
へええと生徒は感心していた。
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