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「じゃあさ、二人一緒に撮ろうよ。二人とも服も着替えてないし、両手に花みたいな感じて撮ってみたいなー。あとでクラスのみんなも一緒に撮ろう?」
「はい、喜んで!!」
兄しかいない家庭で育ち交際経験のない西野が、あざとい女子に弱いのは仕方ない。思った通りの結末になったと香川が、頭を抱えて深い溜息をつく。
「なんで俺が西野の馬鹿に付き合わなきゃならねーんだよ」
そんな香川の呟きも、「ありがとう」と満面の笑みでお礼をいうアイドルに夢中の男子高校生の耳には届かない。先生だけが「ご愁傷様」と心の中で励ましていた。
こうして急に始まった「後夜祭でサプライズで来てくれた人気地下アイドルとの女装を回避する権利を賭けた勝負」は、二人とも女装したまま写真を撮ることとなり、引き分けになった。
ーーこれは、ハッピーエンド? それとも、バットエンド?
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