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二人はすっと右手の拳を差し出して、視線を交差させる。そして二人は息を合わせて、始まりを告げる。そして、周囲の人たちも一緒になって「あの」掛け声を言っていた。
「「最初はぐー! ジャン、ケンっ、ポンっ!!」」
眼鏡の子が出したのはパー。対する相手が出した手も、同じくパーであった。つまりは「あいこ」。
つまり、まだ決着はつかない。
「「ああああああああ〜〜〜」」
西野は右手を押さえてその場に崩れ落ち、対する香川はその場でぴょんぴょん跳ねる。その様はまるでウサギのように可愛らしいが、跳ねるたびに「かしゃん」と眼鏡が悲鳴を上げるのでこいつはウサギでないと改めて知らせてくれた。
そして、可愛くても「こいつは男だ」と周りの者は自分に改めて言い聞かせる。
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