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「クッソ、俺がグーを出していれば負けたのに」
「俺もグーを出していればよかった」
今度は二人して同じように右の拳を白くなるほど握りしめて、同じ行動・言動をとる。けれど、ふっと西野が脱力してポツリと呟く。
「てかさ、なんでこんな戦いをしなきゃいけないんだ」
「そこに突っ込んだら負けだよ、西野。お前が人気アイドルの高橋かりんちゃんと写真取れるかもーって、一番喜んでたじゃん」
「そうだよ、喜んでいたよ。けどよ・・・・・・」
潤んだ瞳を釣り上げて、西野は心の底から叫ぶように長い髪を揺らして天に向かって叫ぶ。
「けどよ、なんで女装したまま撮らねーといけないんだよ!!」
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