漢の戦い。

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ーー負けられない戦いが、ここにはあった。  教室の真ん中に、二人の男が立っていた。二人とも真剣な面持ちで、この集中具合だとコバエの羽音でさえ煩く感じるほどであろう。そんな異常ともいえるくらいに二人は集中していた。  その二人を見守るように、クラスメイト37人とおじさん教師が囲む。囲むものは誰一人として口を開くことなく、二人の戦いの結末を固唾を飲んで見つめていた。  指一本動かすだけで罪に問われそうな中、眼鏡をかけた男こと香川が相手の男に確認と取るかのように静かに問う。 「3本勝負で、お互いに2勝ずつ。次の一戦で勝負が決まる」 「わかってるよ。絶対俺が勝って、奪い取ってやるよ」  相手の男、西野は髪を書き上げてニヤリと挑発的に笑う。だが、その瞳には恐れの色も見えていて少し庇護欲を沸き立てる。それでも笑うのは、やはり男のプライドという奴であろうか。  いっそう張り詰めた空気になった中、最後の戦いが始まった。
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