一通目:黒川 詩那

1/66
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/319ページ

一通目:黒川 詩那

水原彩人(あやと)様     突然こんなに長い手紙を送ってごめんなさい。久し振りに送る手紙がこんな事になるなんて、思いもしなかった。支離滅裂になってるかもしれないけど、きっと貴方なら最後まで読んで、理解しようとしてくれるって、信じてる。    先日、花園さんから櫻井さんとの結婚式の招待状が届いたの。私宛に。花園さんとは特に親しかった訳でもないのに。むしろ彩人も知っている通り、私は花園さんの事、あまり好きではなかった。私にとって苦手なタイプの人種だったから、好きになれるわけがなかった。彼女がこの事を知っていたかはわからない。でも、この事が知られていたとしても私は何とも思わない。だって、好きでも無い相手からどう思われようが、どうだっていいから。  問題は、なぜ私に招待状が届いたのか、という事。  残念ながら私は花園さんの連絡先も櫻井さんの連絡先もわからないの。貴方は櫻井さんと仲が良かったから、櫻井さんづてに理由を聞けないかと思ったの。  正直、頭が混乱してる。  花園さん達が卒業してから八年も経とうって時にこんな物がくるなんて、思いもしなかったから。
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!