コラム風〔2019年〕

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【ダンクレオステウスも滅んだ】  話題の本、丸山貴史の『わけあって絶滅しました。』(監修:今泉忠明/ダイヤモンド社)の102頁と103頁に「ダンクレ(ダンクル)オステウスが滅亡した理由」がイラスト付きで書き述べられている。  全長10メートルの巨体。最強の攻撃力と最高の防御力を兼備したダンクレオステウスが、どうして滅び去ってしまったのか?実にわかり易く、簡潔に解説されている。  それにしても、植物の繁栄が、海中の生物群にまで影響を及ぼしていたとは、俺などには、まったく意外で、想像もつかぬことであった。  さしもの帝王ファミリーも「息ができない」状態に追い込まれてしまっては、なす術がない。史上最強と評される牙も顎も、鉄鎧同然の硬い表皮も、酸素欠乏に対しては、何の役にも立たぬ。一匹残らず、死に絶えた。  記憶が曖昧だが、ダンクレオステウスの化石は頭蓋骨のみしか発見されていない筈である。もしあなたが、同魚の復元模型を見る機会があったとしても、頭部の他は全て、想像によって制作されたものである。  絶滅は残酷だ。その生き物が、生きていたという痕跡さえも消し去ろうとするのだから。頭蓋骨が発掘されただけでも、奇跡と云うべきだろう。〔1月5日〕 04789107-60de-4e17-8680-c121db653753
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