コラム風〔2019年〕

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【樹海の冒険➀】  食後、卓上を片づけた。ウイスキーとミネラル水を持ち込み、薄い水割りを作った。もうひとつの愛機、ニンテンドーDSを起動させた。先日、近所の中古屋で買ってきた『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』を試す。  俺の大好きな(但し、得意ではない)ダンジョン探索型RPGに分類される。同シリーズに挑戦するのは、これが3度目である。1作目は一応クリアしたが、2作目はリザイン(投了)した。今度はどちらになるだろうか?  冒険者ギルドで、迷路潜行の手続きを行う。最初に自分が率いる軍団の名称を決める。思案数秒、俺は「ゾンビーハンター」と入力した。本当は「ゾンビー・ハンター」なのだが、字数の関係で「・」は省いた。  団名入力後、我が分身たるキャラクターの登録を始める。最大30人まで可能だが、最初期の段階でそんなに登録してもどうにもならない。  とりあえず、ベルガスV8(戦士)、オゾネスB3(修道士)、ダガンG3(占星術士)、クレオN3(忍者)、ガラダK7(忍者)、カジモフT7(農民)、そして、アフロダイA(姫)、計7人を登録した。  機械獣とアフロダイの共演である。主役級の名前よりも、悪役や脇役のそれの方が、俺にはしっくりくる。マジンガーZの登録は多分ない。  あとで気づいたことだが、ベルガスは「V8」ではなく「V5」が正しい。参考にした資料の記載そのものが誤っていたのだ。まあ、いい。当面これでゆくことにしよう。改名にはお金がかかりますからね。〔3月21日〕 【樹海の冒険➁】  ゾンビーハンターに与えられた最初の指令は「地下1階の特定範囲の地図を描け!」という内容であった。ダンジョン探索型RPGの場合、詳細地図の作成が突破のコツである。これができないと、どうにもならない。同指令は適性試験だと考えていい。  大昔は「方眼紙に鉛筆で描いていた」が、時代は進み、ゲームも進化を遂げた。タッチペンを使って、画面に直接描き込むことが可能になったのだ。第1作を始めた際「便利になったなあ…」と感嘆した憶えがある。  手描きの頃を懐かしく思うことはあるが、戻りたいとは全然思わない。俺がRPGに求めるものは「果てしなき闘争」であり、地図描きではないからである。  記憶に自信がないが、俺が初めて体験した探索型は『ラストハルマゲドン』だったはずだ。ラスハゲには「自動作成機能」が付いており、それが購入の決め手でもあった。同機能がなかったら、買うことも、遊ぶこともなかっただろう。ラスハゲは「化物が主人公」の異色中の異色作である。  元老院所属の先生に地図を提出し、合格点をもらうまでに結構な手間を要した。気がつくと、アフロダイチームの戦力が強化されていた。迷路の中をウロウロしている内に、自然にそうなったのである。  彷徨中、最大の強敵はオオヤマネコだった。前衛キャラを一撃で殺されて、幾度も冷や汗をかいた。最初の全滅がいつになるかはわからないが、そんなに遠くないと思う。  人間も妖怪も、死体と化せば、世界樹の肥やしになる運命である。同樹にとって、身の程知らずの潜行者は格好の餌食であり、栄養なのだ。〔3月21日〕 ☖ベルガスV8〔戦士〕レベル8/HP92/武器:コピス ☖オゾネスB3〔修道士〕レベル8/HP62/武器:マカーナ ☖ガラダK7〔忍者〕レベル8/HP53/武器:マキリ ☗クレオN3〔忍者〕レベル7/HP49/武器:マキリ ☗アフロダイA〔姫〕レベル8/HP79/武器:ショートソード ☖…前衛。☗…後衛。 [Quinもわさんのコメント] 世界樹の迷宮3はシナリオ分岐がありますね。あとは新世界樹の迷宮3が出そうで出なかった……! [闇塚の返信] そういう企画があったとは知りませんでした。さて、我が遊撃隊は分岐点まで辿り着けるのでしょうか?甚だ心配です。(苦笑)
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