1人が本棚に入れています
本棚に追加
煙草を吸ったきっかけは、友人か先輩だかに「吸う?」みたいな感じで、差し出されたからだと思うけど、20年以上前だから、もう、よく思い出せないや。付き合ったコが、煙草嫌いだったから、二十歳の時には止めたはず。
高校を卒業した後、遊びに行っていたカードショップでアルバイトをはじめた。契約アルバイト、そして社員へと、業界的にはよくある階段を上って社会人になりました。
今思えばね、「やりがい搾取」っていうやつ。僕は朝から晩まで、ずっとお店で働いてた。店舗でやること、やりたいこと、たくさんあった、時間が足りなさ過ぎるほど。
最初はね、自分が担当した部門がどんどん数字があがっていくと、他のスタッフに「おおつ!」って目で見られて鼻が高かったから。
アルバイトから社員へと立場が変わっていく中で、給料もちょっとだけ上がっていくわけで、なんとなく成功している感じが自分の中であったりもしたから。
でもね、一日中、労働時間無視して、サービス残業ひたすらやってたんだから、今思えば、数字が出たのは当たり前。
僕は好きなことをひたすらやれて、麻痺しちゃってて、会社からちょっと褒められて、天狗になって、冷静に考えることなんてできなくて、本当はただ、利用されてただけなのにね。
店長として、お店を切り盛り、数字のプレッシャーを感じ始めた頃にさ、友人から「やってみる?」って誘われたドラッグに手を出した。目に見える全てがすっきり、くっきりする感じ。頭の中が冴えわたる感じがとても心地よかった。
警察がくるまで、カードショップの会社に10年間、ほぼ休みなく働いたわけだけど、まぁ、自業自得なんだけど、30手前にて解雇。
あの時は、それなりにいろいろ失った。
まぁ、おかげで利用していたドラッグからも卒業することができたわけだけど。失職してから2度、手を出してみたけれど、つまらない。いまいちこなかった。
あれは、毎日、朝9時には出社して、夜は12時過ぎに家路につく毎日。睡眠平均時間5時間の日々。そんな風、追い立てられた生活の中でやったから最高に頭の中が洗われて、効いてたわけだよね。
何もなく、毎日ぼーっと過ごす生活してたら、全く必要のない代物でした。
最初のコメントを投稿しよう!