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静江さんと私が知り会ったのは「小説の書き方」と言うカルチャースクールの講座での事だった。人気の講座らしく受講希望者が多数いる講座だった。座席が指定されており私と静江さんは隣り合わせになった。
初めこそお互い何も話さなかったが、講座の中で「隣の人の特徴を文章にする」と言う課題があり、その時から話す様になった。
「あらっ・・うれしいわ」
私が静江さんを同世代の五十代前半と言うと彼女は嬉しそう笑った。後に静江さんの実年齢を知ったが、もう還暦だと言う。
しかし、微笑んだ静江さんの瞳はどこか濡れていて何か性的なものを感じさるものがあった。それが証拠にフッとした瞬間目が合うと私は少しムラッっとした感覚に襲われた。
スレンダーな体。女性としてはやや高い身長。栗毛色に染めた髪を「夜会」というロートレックが描く女性風にまとめた静江さんは私のタイプの女性だった。
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