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静江さんの日記1
○月某日(○曜日)
今お風呂からあがってきてこれを書いている。橋本さんに言われて、そうだなと思ったが確かに今後、私が官能小説を書くとなれば、この日記はよい資料になるだろうと思う。だから今日から何かにつけ気持ちを綴って置くことにする。
昨日の夜の事は今思い出してもとてもドキドキする。あんなにも大胆になってしまった自分が信じられない。いくらもう独り身で誰に咎められる筋合いがないからと言って、本当にこんな事していいのか?する前は罪悪感と不安感がないまぜなって複雑な気持ちだった。
だけど、いざ始まってしまったら途中からそんな気持ちなどもうどうでもよくなってしまった。快楽に身を任せたと言うより、もう抗う事が出来なくなってしまったと言う方が正解だ。
正直あんな快感は今までに味わった事がなかった。私だってそれなりの経験はあるつもりだ。でも、あの空気感と言うか、いけない事をしていると言う背徳感の様なものは格別なものがあった。
考えてみると私は今まで空想の世界だけに生きて来た様な気がする。小説と言うフィクションを読む事で自分を満足させていた様な気がする。でも、こんな事を思ったら不謹慎かもしれないが、主人が亡くなり子供達も独立し、おまけに今は月のモノもなくなったのだから妊娠の心配もなくなったのだ。
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