46人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうですか・・」
私はやっと言葉を絞りだした。
そして、今なら・・とふそう思ってしまい私は自分が官能小説を書いている事を思わず告白してしまった。
文学に造詣の深い静江さんから見ると、私の書いたモノなど小説とも呼べないだろうが、もしよかったら作品を読んで欲しいと聞いてみた。
静江さんは少し驚いた表情を見せ「・・そうなの」と言ったきりイエスともノーとも言わなかった。
私もそれ以上は何も言えなかったがその時、黙っている二人の間に電車の到着を告げるアナウンスが流れた。
(ああっ・・これでお別れか・・)とそう思った時、静江さんは慌ててメモを取り出し何かを書きつけた。
「メールして・・」
そのメモを私に渡すと静江さんは無言で電車に乗り込んだ。ドアはすぐに締まり私達を隔てた。
最初のコメントを投稿しよう!