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その次の講座の日も前回同様、静江さんと顔を合わせるのが不安だった。それは渡されたメールアドレスに私の自作した官能小説を添付して送信したからだ。(内容を読んだら、もう口もきいてもらえないかもしれない・・)そんな思いが心をよぎっていた。
しかし、再びそれは杞憂に終わった。講座にやって来た静江さんはいつもと変わらない様子だったので、私はその様子にホッとした。
やがて、講義が終わるといつもの様に駅まで二人で歩いた。しかしお互い小説の事を意識していた為か普段より会話は少なかった気がする。しかしもう少しで駅と言うところまでくると、静江さんは思い詰めた様にバックの中から一枚の封筒を取り出し私に差し出した。
「後で読んで・・・」
早口でそう言うと、その日はそこでそそくさと立ち去ってしまった。私も突然の出来事にただ呆然としていたが、どんな内容が書かれているのか早く読みたくて近くの喫茶店に入り封筒の封を切った。
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