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月1度、花屋にいくたび、茉莉はいつも笑顔で迎えてくれる。
通うたびに花束を作るコツを掴み上手になっていく。
そして俺が人との間に作る壁をいとも簡単に乗り越えてくる。
奈津との事もあったり、傷心中のなかで茉莉の笑顔や会話で、ダルイ気持ちが軽くなっていく自分がいた。
ただ、もう恋愛はもう…いいかな。
誰かを愛する事に臆病になっていたんだと思う。
茉莉が花屋で働くようになって半年過ぎた頃、俺は仕事の帰り道、花屋の通りの先にある小さな公園の前を歩いている時、茉莉と偶然出会った。
「こんな時間に何してるの?」
「あっ、コンビニで買い物してきました」
「そうか…」
「流星さんは、仕事の帰りですか?」
「そう、女の子がこんな時間に1人じゃ危ないよ」
そういうと「大丈夫です」と言う。
「送っていくよ」
「いえっ…大丈夫ですって」
フフっと笑う。
「ダメ!行くよ…ほらっ」
ちょっと怒った顔してみせると茉莉は気まずそうに「お願いします」
と小さな声で答えた。
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