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背筋がゾクンッ……と粟立つ。
ふしくれだった肉棒が熟れてぬかるんだ尻の中をじょじょに割開き、挿入されていくなんとも言えない瘙痒感。
せぐりあがる圧迫感を逃がすため、はっはっと短く息を吐く。
ブルブルと震えて昂る熱い胎内を拡げて、狐さんのモノがズプ…ズププ……と少しづつ進んでいく。うう、早く全部挿れてくれ。
「あ……あ……ぁっ……」
「俺は、友達ができても……神が一番、特別な友達だ。キスはしても、交尾はしない……お前と、だけだぜ……」
「はぁ、っ……き……狐さ、ぁ……っ」
「なぁ、神……お前の一番も、俺と変わらないなら……俺もお前のオトモダチと、友達になろう、な……」
「な、長すぎ、る……ゆっくり、っ……」
「? ……激しいほうが、いいか……?」
「ッぁ、ひ、ぐっ……!」
──そういうことじゃないんだぞ……!
なんで狐さんはそんなに両極端なんだろう? と頭の隅っこで考えながら、ちょっぴり抜けている狐さんに少しだけ文句を言う。
狐さんはお前には言われたくない、と言って小刻みに腹の突き当たりを突き上げ、俺は小さく身を丸め悶えた。
中にあるしこりを抉られると、気持ち良すぎてすぐ果てそうになる。
幹や傘でこう、ゴリゴリと。
それだけで意識しなくても筋肉が跳ね、声が漏れてしまう不思議なしこりだ。
気持ち良くなりすぎるとだんだん余裕がなくなって、ちょっとおさまりがつかない。
「あぁ……っも、これ以上はまずい……っい、一回ちょっと待、っぁひ、っ……あぁっ…あ〜……っ!」
「神……」
「んっ、んっ……やっ、出……っる……っ」
グッグッと何度も直腸の奥から入り口の手前までをすみずみと虐められ、俺はぎゅっと枕の布を握る力を強めた。
抜けるギリギリに引いた狐さんのが根元までグプッ、と挿れられるたび、背中がむずむずと疼いてしまう。
というか狐さんは俺の名を呼び過ぎだ。いつもなかなか話さないけれど、話し始めの大半が神なんだからなんとも言えない。
神、神って、呼べば大丈夫なわけじゃないんだぞ。出るものは出ちゃうんだぞ。
へにょりと眉を困らせて激しい突き上げに体を揺さぶられながらも、うう、うう、と唸って背中の疼きを堪える。
ここでまた出してしまったら、部屋の小物にあたってめちゃくちゃになってしまう。──だ、けど、我慢できな、いぃ……っ。
「待て、頼むから待ってく、っあっ……あ、だめだ、って、あっ……あぁ……っ」
「は……だめだ、待たね……」
「狐さ、ぅぁあ……っあぁあ……っ出るんだ、だから一回待って、だめだ、ぁわ、ああ……っあぁ〜〜……っ」
我慢ならない俺はもうどうしようもなくて、早くとめてくれないともうダメだと、ぐずぐずと泣きの入った声で哀願した。
「あ、ぁっ、出る、でる、ゔ、っ」
これ以上はダメだ。
本当に出てしまう。ほんとう。
それでも狐さんは動きを緩める気配もなくむしろ激しく犯し始めるものだから、ドクドクと高まっていく欲望が、解放を求めて管を上り詰め。
「あ、あっ、あッ、ゔぅ──……ッ!」
絶頂を迎えると同時に一気に力が抜けてしまい、ドクッ、ドクッ、とシーツに吐き出す白濁液とは違う白いものが、俺の背から勢いよく迸った。
「っひ……っぉ…く……っ……っ」
うう、せっかく我慢していたのに。
ブルブルブル……っ、と身震いしながらピンと伸ばした翼をうち震わせると、飛び立てなかった小鳥のように飛び出た翼がバサッバサッとあがく。
なにが出るからマズイって、もちろん翼のことである。
俺の翼は片方で俺の身長をしばしば抜く巨翼なので、室内で出して狐さんの部屋を荒らしてしまわないよう我慢していたのだ。
初めてした時から、気持ち良すぎて力が抜けるとたまにこうして飛び出してしまう。
だから俺はいつだって気をつけているのに、当の狐さんは部屋が荒れてもお構いなしで俺の翼をしっくり愛でた。
エンジェルの翼。
お気に入りになら嬉しいけれど、お片付けがたいへん。産毛が舞い散る。
はぁはぁと乱れた息を吐きながら、こぼれた涙を枕でぬぐう。出したばかりの翼は敏感で、余韻に浸る体と相まってビクッ、ビクンッ、と微かに跳ねた。
やっぱり翼を出すには窮屈だな。
室内じゃ、壁やサイドテーブルにあたってしまう。ごめんよみんな。
そうして物たちにごめんよごめんよとテレパスしながらぐったりと脱力して達したあとの心地良さに浸っていると──ふと、俺の翼の付け根に温かい手が触れた。
「ヒッ……」
「知ってるか……? 神は、ここを強く引っ張りながら、後ろから犯すと……」
「はっ……っあ……ぁあ……っ」
「……すごく、乱れるぜ」
ぎゅ、と馬の手綱を握るように翼の付け根を握って力強く後ろに翼を引かれ、俺は声を上げて上半身をのけぞらせる。
入りっぱなしの肉棒がゴリュ、と油断した最奥を深く貫いた。
珍しくふ、と笑う狐さん。
狐さんが狐たる吐息のような笑い声。
──そこから先はあまりおぼえてない。
俺の意識は朦朧として快感の波に攫われていたし、俺の翼は狐さんのオモチャになって、飛び立つこともできずに鳴く。
……狐さんは、放置しちゃいけないな。
翼の付け根の谷間で狐さんのをヌルヌル擦りつけられながら、それだけは守るべしと肝に銘じた俺であった。
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