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「……いつもありがとう」 頷いた僕の頭を彰は優しく撫でてくれて、額に温かなキスが降る。陸、と名前を呼ばれて僕も彰の額に同じようにキスをした。これは僕と彰の信頼の証のようなもの。 元々僕の家では挨拶にキスをする習慣があったが、彰とのキスは挨拶以上に特別な意味がある。 「私は陸を愛しているからね。いつだって傍にいるよ」 「……うん、僕も愛してる」 優しい幼馴染に、僕の心はいつだって救われていた。 甘い花のような香りがする白いハンカチで涙を拭ってくれる幼馴染に気が付けば涙も止まり、優しい感触に慰めながら一時間前の事を思い出していた。
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