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思い出せば始まりは小学生の頃。
保健体育の授業ではカラダの成長について学ぶ時期だった。
カラダの変化は薄々と気付いていた。
なんとなく嫌な気持ちになった。
なんとなく気持ち悪くなった。
みんなは笑顔で成長期の話をするけれど、
私は笑顔にならなかった。
みんなと少し違う気がした。
ずっと、ずっと気になってしまった。
そうしたら自分に触れられなくなった。
触れたら手を洗わないと菌に侵食される気分で
なにも集中できなかった。
授業中も理由をつけて水飲み場に走り、
手を洗い続けた。
もちろん手はひどく荒れた。
両親は私の異変に気付いて悩んでいたと思う。
どうにかしたくて手紙にしたこともあった。
“下の毛に触らない。”
笑ってしまうかもしれないが、
私にとっては大事件で解決が長引いた。
次第に触れられない範囲は拡大する。
膝、太もも、首、髪の毛、顔。
自分に拒否反応が出る。
とっても切ない。
誰も頼れずに一人で戦っていた。
どうしたらこの嫌な気持ちがなくなるだろうか。
どうしたらみんなと同じように生きられるだろうか。
もしかしたら、この時に精神科に行っていたら
薬をコントロールして少しは楽に生きれたのかもしれない。
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