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「………」
………やっとあえた……?
「……どこかで逢ったことありました……?」
「んー、と言うか、俺、ずっと千波ちゃんを探してたんだ」
「え……わ、わたし、うちの子じゃないんですか……⁉」
まさかの捨て子とか、事件に巻き込まれて行方をくらましていたとか……⁉ 道理でお姉ちゃんと似てるとこがないわけだ!
一気にまくしたてると、藍田くんは一瞬ぽかんとしたあと、小さく噴き出した。
「ごめ……違うよ、そういう意味じゃない。千波ちゃんがそういう境遇なわけでもないよ」
「ほ、ほんとうですか……っ?」
半泣きで訊き返すと、藍田くんは「びっくりさせちゃってごめんね」と言って来た。
「俺、幼馴染の子たち以外では千波ちゃんのほかは、名前で呼ばないよ。割と冷たいって思われてるから」
「……冷たいというか変人だと思われているのでは……」
「俺の幼馴染以上の変人は知らないなあ」
「どんな交友関係してるんですか……」
はあ、とため息が出た。
「もういいです。好きにしてください」
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