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「……へ?」
「好きな人が親友のこと好きだから、二人をくっつけて無理やり忘れようとしてるとか……」
え……だ、大天使、どこ行った……? 藍田くんの顔がだんだん険しくなっていく……。
「な、ないよっ。わたしは恋愛は捨ててるのっ。結婚したくなったらお見合いすればいいからっ」
建前やその場しのぎではなく、いつも思ってることを口にすると、藍田くんは真顔になってしまった。
「……は?」
「あ、藍田くん……?」
だ、大天使、ほんとどこ行った……?
「千波ちゃんそれ、本気で言ってる?」
「ほ、本気だよっ。ずっと醜女なんて言われてたら恋愛に理想持つこともないからっ」
「―――」
すっと、藍田くんの手が伸びて来た。
ま、まさかぶたれる……⁉ 険しい藍田くんの空気に委縮していると、けれどそんなことはなく、藍田くんが触れたのはわたしの左頬だった。
「あ、藍田くん……?」
「ごめんね」
……ごめん、って、なにが……?
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