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それを口にすると、
「ふふ、買い被り過ぎだよ。私のはありふれたネット検索や、思いつきの総合。」
「それより、北野さんの地道で堅実な営業、結構好き~誠実安心。
で意外と、負けず嫌いだよね?」
何か、ガツンときた。
ルックスの事は散々、小さい時から言われてきた。
同性からは羨望、妬み。
異性からアピール。
そうではない、自分自身が磨いたもの。
入社してからの努力を、こうまでストレートに褒めれたのは、なかったかもしれない。
勿論、俺の仕事ぶりを間近で見る機会が多い業務補佐としての意見、俺自身初めて組んだ相手という事を考慮しても……岡田さんが、
料理をオーダーした彼女に対し、姿勢を正しながら
「岡田さん、僕と恋愛しませんか?」
「はあ?」
「正直、大好きかと聞かれたら、まだ分かりません。年頃の女性に幸せなお嫁さん…結婚というカードもまだ出せません。
だけど、無性に貴女が気になるんです。」
「ちょ、ちょっと待って!
体調悪かったから、最初の一杯で酔った?」
「いえ、真面目な話です。」
彼女は、残ってたアルコールを一気飲みすると、
「そりゃね、続けて親しい友達のオメデタが続き、ご祝儀貧乏。とどめに職場の若い子の披露宴に呼ばれたら、誰かと恋愛したい、好きになりたい!って絶叫もするよ」
そこで一呼吸つくと、真っ直ぐ俺を見つめ、
「でも、北野さんは、ない。」
えっ、ウソ、速攻振られた?
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