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岡田さんは俺の強い視線を避け、氷だけが残ったグラスに手を伸ばし、中身を見つめてる。
しばしの沈黙の後、
「ごめんなさい。北野さんのルックスは言い訳だね…勿論中身もバッチリ好青年で、好感が持てるよ。
って結局、自信がないのは、自分自身なんだよね~」
はあ、とタメ息をつきながら肩を落とし、
「今は関心があるって言ってくれるけど、どのへん?
付き合って幻滅されたら?新鮮味が薄れたら?…別れた時ダメージが大きいよ。」
何故、付き合う前から、別れ?
始めてもみない内から…彼女の臆病な一面が良く分かる。自己肯定感の低さが原因か。
料理がやってきた。ついでに、さっきと同じお酒を注文した。
美味い!
料理をツマミながら、俺にしては珍しく、少しおどけて話始めた。
「実際、今この段階で、岡田さんが好きで好きで堪らない~!オーラ出してたら、引くでしょ?」
「それに皆が思う程オレ、恋愛経験ないんで、付き合い方?女性が好きな事余り分からないですよ。」
「今は、お互い興味がある。それで始めません?
将来、岡田さんにドハマりして、俺の方が鬱陶しがらるかも。」
岡田さんはプッと吹き出し、
「北野さん得意の、粘りの営業?」
ようやく雰囲気が和み、彼女は料理を口にした。
「美味しい!」
俺の好きな満面の笑みを浮かべた。
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