3/4

6/12
前へ
/34ページ
次へ
「やれやれ。いつまでよがり続けるんだい、キミは。さっきからやたら蒸すし、何よりグニグニ動いて苦しいんだよ。」  おっぱいに気を取られていた私は、今度はお腹が苦しくなっていく感覚に襲われる。ずろずろという摩擦音が耳の内側から響き渡り、つるりとした張りが出口に向かって下へ下へと移動していくのを感じる。いくら相手がスライムという軟体質の魔物とはいえ、筋限界まで広げられてしまえば当然激痛が身体中に走る。ぐしょぐしょに塗れたドロワースの隙間から徐々に青いゼリーの塊が姿を表し、緑溢れる大地に足をかけようとする。 「いぎぃいぃ!! 痛い!! いだいぃ!! まっでぇ!! せめてだれもいないとこでえぇ!!」  色々な体液でぐちゃぐちゃになった顔で必死な表情を作り懇願するも、スライムは聞き入れてくれない。こんな人としての尊厳をズタズタにされた恥態を、他の誰かに見られたくない。ましてやここは生き物渦めく高原の中。性を知る小さな動物は当然、知性ある魔物や冒険者だって行き来する場所だ。もし今の私を誰かに見られでもしたら、私はこの命を絶たなければ気が済まない。両手で股間を死に物狂いで抑えるも、指の隙間からゼリーが次々と漏れだし、紅いコアがメリメリと両手を押し広げていく。 「ひぎぃいー!! ぎぃやぁあぁあー!! あっ…あぁ…」  極度の絶叫と同時にスライムが産道から捻り出てくる。  さっきまでの強烈な痛みが嘘だったかの様に、ある種の爽快感がジリジリとした頭の中を支配していく。  膣内で私の魔力やら…水気のある何かをたっぷり吸い付くしたらしく、赤子サイズ程に大きく肥大しているのを霞む視界で捉える。 「いやぁーやっと出れたぁ。狭いし暑いしじめじめするし、ずっといる所じゃないね。」 「このぉ…どさくさに紛れて…」 「あの程度の攻めで汁まみれになるんだから、吸わなきゃ勿体ないだろう? 大きな傷も無く擬似出産体験ができて良かったじゃないか。」  出産ですって? ふざけるな。こんなの排泄だ。出産っていうのは愛する人と結ばれた末に辿り着く、生命の営みだ。こんなもので母になるなんて、そんなの心底受け入れたくなんかない。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加