3、パンダのぬいぐるみ登場

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3、パンダのぬいぐるみ登場

「えっ。明日だっけ?」うろたえる春樹。 「明日でもないよ」 「いつ?」 「来月の今日」 「えー、間違えた。恥ずかしい」 「ねえ、開けてもいい?」 「うん。どうぞ」 あれえ何で間違えて覚えてたんだろうって、真っ赤にした顔を手で押さえる春樹。 「パンダだ! ありがとう! これ売ってるの見かけて気になってたんだあ」 パンダのぬいぐるみを袋から出して、ぎゅーっと抱きしめる莉子。へにょへにょした柔らかい感触だ。 ぬいぐるみの体長は莉子の指先からひじくらい。耳は人間の耳と同じくらい。手足は耳と同じくらいの大きさで平べったい。 誕生日を間違えて恥ずかしがってる春樹が可哀想なのでちょっとオーバーに喜んでみせる莉子。 「良かった、喜んでくれて。莉子、パンダグッズいっぱい持ってるから好きなんだろうなって思って」 莉子はハンカチやシャーペンなどの持ち物は全部パンダ柄だ。 「うん。すごく嬉しい。今日からこのパンダと一緒に寝る」 「いいなあ。俺そのパンダに転生したい」 「機嫌悪い時にボコボコにするかもよ」 「ヤメロ……。あ、雨やんだな」 「ホントだ。じゃあ、私帰るね! テレビ始まっちゃうから。パンダありがとっ!」 パンダを抱きかかえてバイバーイと走り去る莉子。 「あ……俺、今日告白するつもりだったのに」春樹は駐輪場にポツンと残された。
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