【王国政治編】 25. うたた寝

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【王国政治編】 25. うたた寝

******【情景】  緑あふれる草原の上。かつかつと音を響かせながら、真っ白な馬が風のように駆け抜ける。  爽やかな向かい風にサラサラなびく艶やかな黒髪。  手綱(たづな)をにぎるフェーリの髪はほどけて少し乱れたものの、まるで美しい芸術品のごとく、無表情のまま、フェーリはつぶらな青い瞳で道の向こうを見すえる。  幼気な印象を残す横顔を愛しそうに眺めながら、セルンは「お嬢」と優しげに声をかけた。  「そろそろ屋敷に戻ろうか」  肩越しに振りかえり、セルンにうなずくと、2人は速度を上げて、道の向こうにある屋敷へと姿を消した。
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