4人が本棚に入れています
本棚に追加
「かんた、かんた、どこで寝てるの」
ママに起こされる。
気がつくと僕は、リビングのカーテンの陰に転がって寝ていた。手には剣を持っていて、近くにくまとうさぎのぬいぐるみも転がっていた。
くまのお腹は、やっぱりいつもよりちょっと出ている気がする。
「おかしいなー、ブロック、ここに置いておいたのになあ……」
お兄ちゃんの声がする。
ブロックの恐竜が完成していた。
あれ?でもおかしい。片っ方の足だけブロックが足りないみたい。
「かんた! また乱暴にして! うさぎさんの耳が取れそうじゃないの」
ママはうさぎの耳に巻かれたハンカチを取ってため息をついた。
それは、ももちゃんが…
言おうとしたけど、やめておいた。
「でもかんた、ハンカチで直そうとしてくれたのね、ありがとう」
僕のハンカチに気づいたママが、頭をぐしゃぐしゃ撫でてくれた。
「あれ、またももがいないぞ?! どこいった?!」
パパが言って、みんながももちゃんを探し始めた。
あ! 僕、知ってる!
キッチンの裏を回って、勝手口の方に行くと、すだれがゆらゆら揺れている。
「ももちゃん、みーつけた!」
すだれをめくると、トンネルはなくて、いつも通り勝手口が閉まっていた。
その前にももちゃんが座って何かをかじってる。
「もう、ももちゃん、心配したじゃないの」
みんなが僕の後ろに集まってくる。
ももちゃんはお兄ちゃんのブロックをかじりながら、ニヤッと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!