《ウラとオモテ》後編

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「…てか、お前、トップと知り合いなのか?トップもそんな感じだったな…」 首を傾げるナギ。 「アイツはっ…アイツは…」 知り合いとか生ぬるいものじゃなくて! なんだか興奮しているフユを見て… 「ふぅ、わかった…部屋戻るぞ、そんで、ゆっくり落ち着いて話せよ…」 そんなフユの頭を撫でながら、ナギは息をついて促す。 「……」 子供扱いされ…顔をしかめながら… むぅ…と黙るフユ。 「ななも戻るぞ、レンの奴に見られたら、また怒られちまう…」 「うん、」 三人はエレベータに乗って二階へ戻る。 「ななはどうする?」 ナギはついてくるか聞いてみる。 「ここで待ってる…レンくるから…」 そう答えるとななは元いた位置へまた座っている。 「おう、じゃまたな。行くぞフユ!」 ななにバイバイしてフユを連れて部屋に戻るナギ。 部屋に着いて、ナギはベッドに腰をおろしながら…フユに問う。 「で、何か思いだしたんだろ?」 「…全部は、はっきりしないけど…ただ、アイツに関してはわかった…目的も…」 フユは見せたことがないような真剣なカオで云う。 「アイツ…?目的?まぁ座れって、」 ナギはフユを簡易椅子に促してみるが…フユは立ったまま話し出す。 「おれ…、ここの会社、潰しにきたんだ…」 手を握りしめ拳をつくり… 漠然としたことを話してしまう。 「…は?」 いきなりの言葉に…目が点になるナギ。 「…復讐に、きた…」 ぽそっと伝えるフユ。 「…復讐って、」 穏やかではない言葉に顔をしかめるナギ。
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