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「けど、ナギが助けてくれて…ここに連れて来てくれたから、おれは生き返ったんだ!…だから…後悔なんて言わせない!おれはナギに逢ったこと、後悔なんかしていない!」
「フユ…」
ナギはフユの強い思いに驚くが…同時に、トップから任されたシゴトの重さを思い知る。
「後悔する…このまま、ここにいたら…お前は絶対後悔することになる」
なぜなら…トップはフユを性優にしようとしているのだから…
何も知らないお前を…
性商品として、働かせなければならない…
解放させる気なんかない…
奴隷のように働かされて…雑巾のように捨てられる…
そんな人生にさせるわけにはいかない…
「そんなことない…」
フユは首を横に振るが…ナギは制して言葉を続ける。
「それに!ここに居たいってなら、お前の憎んでるトップの下で働かなきゃならねぇ、嫌だろ?」
恨んでるヤツのもとでなんか働きたくない筈…
恐らく、爆弾抱えたフユには、まともな賃金が支払われることなんかないだろうから…
最悪の未来しか想像できない…
「っそれは、嫌だ…けど、」
フユは言い詰まるが…
「なら、ここを出て、二度とこの会社にくるなよ、俺が拾ってきちまったわけだし、当面の生活ができるだけの金はやるから、復讐なんかやめて自分のために生きろよ…おっけ?」
さとすように言うが…
「…やだ、嫌だ!拾ったならちゃんと責任とれよ!ナギの馬鹿っ!」
拾ったくせに、すぐ捨てようとするなんて…
ナギに見捨てられるのが嫌で…
ナギの態度に胸が苦しくなってくる。
もうなんだかわけがわからなくなって、ナギに怒鳴り、走って部屋を出ていくフユ…
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