《ウラとオモテ》後編

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レンが戸惑ったまま…フユを受け止めていたが… そこへ、やはりフユの様子が心配になったナギが探しにくる。 「…フユ、レン?」 ふたりの様子を見て… ピタッと止まる。 その声に反応して振り返るフユ。 自分を追い出そうとするナギ。 まだ怒りがおさまらなくて… 「ナギなんか…ナギなんか嫌いだっ!」 レンに抱きつきながら勢いでフユはナギに言ってしまう。 「な、おまっ…」 ちょっと待てよ、と顔を歪めるナギ。 そんなナギとフユの様子を見て… なにを思ったか、レンが動く… 不意にフユの頬に触れて…自分の方へ向かせ… 無防備なフユに口付けるように屈み、顔を近づける。 「っ…」 当然驚くフユだが… レンの唇がフユの唇に触れる直前…レンは止まり、掠れた小さい声で… 「大丈夫…」 とだけ呟き…そのまま離れる。 「…オマエ、」 位置的にナギには二人がキスしているように見え…レンをいぶかしく見るナギ。 たかがキス… ナギにとっては挨拶がわり… しかし…それをしたのが自分ではなく…カタブツな双子の弟… レンは遊びでキスするような奴じゃない… なら、何の理由で… 思ったよりも衝撃で… 言葉が出なくなっているナギに… レンは、フユを抱き寄せ、手話を交えてナギに話す… 「……やはり、ナギには…まかせて、おけない…しばらく、こっちで…あずかる…」 「…ちょ、待てよ…」 ちょっと焦ったようにナギは言い返そうとするが… 「いいか…?」 先にレンはフユに了解をとる。 優しく微笑むレンを見て… 逃げ場も欲しかったフユ。 こくんと頷いてしまう。
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