《ウラとオモテ》後編

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「何かようか?」 真っ直ぐナギを見返して聞くレン…。 「……」 ナギは厳しい顔付きで、言葉は口にせず、レンへ手話を使って聞く… (コイツのことが好きなのか?) 「……」 (好きだよ) レンも手話で返答する。 嫌いではない…友人として、好きだから嘘ではないコタエ… しかし、ナギの思う好きとは別もので… 同時にナギを試すコタエになる。 それでも、俺を優先するか…? 軽くかわして、逃げているばかりじゃ…本当に欲しいものまで見失う… ナギ…どうする? 無言で視線を交わす双子… 緊張した空気… フユは言葉をはさめるわけもなく、二人の様子を見ている。 「……っ、来い!」 不意にナギは動く… フユの腕を掴んで連れていこうとする。 「えっ、」 フユは驚いてレンに視線を向けるが… 「……」 レンは優しく微笑んで二回頷く… 大丈夫…と背中を押すように… 「……」 なんだか怒っているようなナギに連れていかれて… 不安になるフユだが… 声もかけれなくて…おとなしくついていく… ナギは真っ直ぐ自分の部屋へ足を進め… 部屋に戻ってナギは立ち止まる。 「……」 「…ナギ、手を放して…」 ぎゅっと握られた手首… ちょっと痛くて、そう話し掛けてみるけど… 「……」 「…ナギ?」 「お前…いつから、」 「え?」 「いつからレンと付き合ってたんだよ、」 「え、付き合うって?」 「キスしてただろ、レンは俺と違って真面目な奴だからな、恋人以外とはしない筈だ…」 「……」 そう、レンは真面目な人、だから双子のナギのことも心配して… でも…自分なんかがナギを変えれるとは思えなくて… 好かれてるって言われても…どのくらいの好きかも分からなくて… わからないことだらけだから、レンにどうすればいいのか聞いてからナギと話したかった… 「…いつから付き合ってたんだ?どこまで、いってんだよ、お前ら…」 早口で問うナギ… 「待って、よくわかんないケド、何でナギがそんなコト気にするの?」 圧倒されながらも、ナギの気持ちを聞きたくて… 「それは、レンは俺の弟だし…」 「……」 フユはそれを聞いて、ナギの話の途中で掴まれている手を振りほどく… (……ほら、レン違うよ…ナギはおれのことじゃなく、レンのコト心配してるんだ…おれは好かれてなんかいない…) なんだか悲しくて悔しくなってきて… 「おい、」 ナギはもう一度触れようとするが…
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