《ウラとオモテ》後編

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そういえば、三階でナギ見つけたとき… 誰かと…キスしてて… 思い出して辛くなる… 「嘘じゃねぇ…俺が最初にヤって教えろって…言われたんだ、だから確実だ…」 フユが疑っているように聞こえて…そう伝えるが… 「…やれって言われたから…?」 ぽそっと呟くように言うフユ… 「え?」 「……」 あの最低人間に、やれって言われたから…キスしたり、押し倒したりしたのか… それは…ナギの意思じゃない… 少しの期待もなくなって…フユの心は沈んでしまう。 おれみたいなのは、どんなにがんばってもナギの対象にはなれないんだ… 見た目がこれじゃ… ガキは興味ないって…いってたから… 独りで失恋の辛さに言葉をなくしていると… 「フユ?」 どうした?と優しく聞いてくるナギ… 「……」 「らしくねぇな…言いたいことははっきり言うヤツだと思ってたけど…」 フユの頭を撫でて囁く… 「まぁ、らしくないのはお互い様ってやつか…」 少し考え込むように言ったあと…続けて… 「俺らしく、いっちょ、本気で略奪愛しかけてみますか~」 いつものナンパな笑みを浮かべて言うナギ。 「え?」 いきなり何を言い出すのか、首を傾げるフユ。 「……まぁ、レンに…渡せるものは全部譲るつもりだったけど、今回ばかりは、譲りたくねぇし…」 独り言のように呟き…フユを優しく見つめる。 「…なんのこと?」 なに?略奪?レンから奪う? サキのこと?それは…?混乱してしまうフユ… 「聞くけど、」 急に真剣な目で問うナギ… 「うん…」 何を聞かれるのかドキドキしていると… 「俺のダメなとこって言ってみて…」 「だ、ダメなとこ?」 すこし拍子抜けな感じで…話しにまったくついていけないフユ。 「そ、性格とか、まぁ素行でも、お前がイヤだなって思うところ…」 笑って軽く聞いてくる。 「…な、なんで…」 そんなことを聞くのか… 「いいから教えろって、」 有無を言わせず聞きだそうとする。 「ナギの…」 ダメなところ… 思い浮かぶのは… 他の誰かと過剰スキンシップしたり…キスしたり… すごくイヤだ… 「その…ナンパな性格…誰にでも、すぐキスしたり…おかしいと思う…」 そんなことしてほしくないから… 願うように伝えるフユ。
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