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「フユだけを逃がすつもりならやめておいたほうがいい…BOUSは情報網が半端じゃないから、すぐ捕まってしまうのがオチだ…平和に暮らしたいなら細工がいる…」
手話だけを使い真剣に諭す弟。
「まぁな、確かに簡単じゃないわな…、だから…俺がフユから離れないように…監視役になればいいってことか、幸いトップはコイツの記憶が戻ったのを知らないから…いい案だ…けどな、トップが俺を信じるか?」
ナギはレンの考えを読み取って言う。
「そのために、俺がいる…俺がここに残っていれば、ナギも裏切るようなマネは出来ないから…」
人質がわりになる。
「……サンキュなレン」
溜めたように言うナギ。
「レンがライバルじゃなくて本気よかった…」
恋のライバル…
レンから奪うのは本当に嫌だったから…
そう嘘偽りなく伝えて…
「戻るぞ…」
ナギはレンとフユの誤解が解けてすっきりしたように笑い、フユにウインクして呼んで、部屋に戻る…
「え、うん…」
ほとんど手話で会話していた二人なのでフユには内容がさっぱり判らないままだったが…
取り敢えず頷いてナギについていく…
部屋に戻ってフユを座らせると…おもむろに…
「つーか、勘違いあったからやり直しな、」
リセットを提案して…
「う、うん…」
「マジな話…俺、お前のコト好きなんだわ、お前は俺のコトどう思う?」
いきなり、そんなことを言うナギ。
「……」
軽い言い方にやはりからかわれているようで…答えられないフユ。
「好き?嫌い?」
すると、すっと、真面目な顔をして聞くナギ…
「……好き」
その顔に、どきっとして答えてしまう。
「よし、じゃ、俺と付き合って、俺と一緒に住む気ある?」
にっと笑顔を戻して…再び聞いてくる。
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