喧嘩上等威風堂々

1/3
前へ
/3ページ
次へ

喧嘩上等威風堂々

俺はあらやるヤンキー漫画を読破する事でヤンキーたる知識を身に付け喧嘩も生まれてこの方十五年間負け無しだ。 四月になり巷で有名なヤンキー高にめでたく入学する、入学式では早速南中の喧嘩師佐橋良郎だと騒がれる始末。 更に入学早々「ヨシロウ!俺とタイマンはれ!」と見知らぬ同校の奴に喧嘩を売られそれを買ってやり秒殺を決めてやった。 俺は思うんだ 正直なところ最近喧嘩も飽きてきた何故なら皆弱すぎる。 もっともっと強くて気持ちが高ぶる奴とやり合いたい、中学に上がってからそんなことばかり考えて過ごしてきた。 今日は入学式を終え家に帰ったら地元のツレの山田と遊びに行く予定だ。 帰り道俺の携帯が鳴る山田からの着信だ 「もしもし?今からお前の家に行くところだ、もう家にいるのか?」 「ヨシロウ…悪いんだが今日は遊びに行けないや…」 嫌な予感がした 山田は俺とは違う高校に進学したがそこもそこそこ有名なヤンキー高だ、山田は俺のツレと言うだけでそこそこ有名でヤンキーから目をつけられている。 俺は悟った、多分酷くボコられたのだろう… 「誰にやられた?俺のせいか?」 「…次元が違う、ヨシロウは関わるな…それとお前のせいじゃない!…」ブチッ と通話を切られた。 「次元が違う…どう言うことだ?」 俺は戸惑った。 もう一度山田と通話をしようと発信をするも山田は出てくれない。 とりあえず山田の家に向かい着いたところで家のチャイムを鳴らした。 「ヨシロウくん?」 山田の妹が玄関から出てきた。 「よお加奈子ちゃん!山田いる?って加奈子ちゃん泣いてる?」 嫌な予感が更にした… 「今朝入学式に向かっている最中にお兄ちゃんが…病院に運ばれて…酷くやられたみたいで…」 俺は全部聞く前に話を遮り 「重症なのか?」 心臓が激しく鳴るのがわかる。 「多分なんだけど…もう歩けないらしい…」 加奈子ちゃんのその言葉を聞き俺は頭の中が真っ白になった。 更に加奈子ちゃんは話を続けてくれた 申し訳ないがその話は俺の頭の中には入ってこなかった、多分だが何故歩けなくなったかの理由だと思われる。 俺はだんだんと意識が遠のいて行った。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加