~気付いたキモチ~

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~気付いたキモチ~

「おはようございます。」 事務員が眠そうな顔をしているのに、笑顔でみんなにコーヒーを配っている。 オレのマグカップをトレイから取り、手渡してくれた。 マグカップの下に違和感を感じた。 オレは、周りに気付かれないようにマグカップを持ってホワイトボードに向かった。 「今日の午後の現場って午前中の現場から近い?」 ホワイトボードの真後ろにいる事務員に声を掛けた。 「午前中の現場から午後の現場まで、空いていて30分くらいです。混雑するような道ではなさそうですが、余裕もって移動してください。」 オレの隣に来て、現場周辺の地図を見せてくれた。 オレは、了解と答え、マグカップの下に張り付けてある紙を開いた。 『18時にコンビニの駐車場で待ってます。』 「さて、そろそろ行くか。コーヒー、ごちそうさま。」 事務員にマグカップを手渡す時、オレは小さくマルを指で作って見せた。
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